地下聖堂

Nihilism fall the underground

実存と触れる事の出来ない未来について

実存

 

自分の存在というものは何よりも尊く、何者よりも愛したい存在である。

人間はモノのように本質が先に発生するものではなく、実存が先に来るあまり様々なパラドックスに陥り、苦しみ悩む。

 

人生を生きるという本質を追いたいというロマンチシズムを廃棄し、自分や世界という実存によって定義・制限される事を私たちは受け入れられるだろうか?

 

 

自分の人生とは何か。

これは世代によっても異なり、ありとあらゆる歴史的な年代によっても異なる。

私たちがどういった時代に生きているのかという認識つまり時間的な感覚を今の時代に生きる者達が得うる事は可能なのか?

 

 

未規定である未来に対して

 

 

将来と未来を少し分けて考える。

 

自分の将来とはある程度想像ができ、自分という者はあらゆる偶然に曝され時には能動的になり時には受動的になり変わっていくものである。

 

それに対して未来とは全くの未規定であり触れられない

つまり自分の死後である。

死後も世界というものを考えなければならないのか?という疑問に関しては

親族や友人、ペットが死んだ時にも私たちは今もこの世界に生きているのである。という説明で事足りるであろう。

死後という物を未来に置き換えるのは全く綺麗な事ではないが、今現在規定されている自分の生が死ぬという事は、生の死=未規定な未来へのファーストコンタクトと言ってもいいかもしれない。

 

時間的な感覚で説明するのであれば昨日の自分という物は既に死であるが、今日の自分には生が与えられており、しかも昨日・昨日以前の記憶や感覚について覚えているという事からもイメージが出来るだろう。

 

 現在を消費し続ける怪物

 

・震災

 

 

様々な外交や経済政策、一部企業の態度は果たして未来を見据えているのか

東日本大震災原発行政の粗が闇に光を当てる手法で露わになった。

各党が脱原発を掲げているが一度始めてしまったが為の現実的な問題があり、そう簡単に危ないのでやめましょうとはならない状況は充分に理解が出来る。

この点は民主党政権時代のあの異様な空気からも感じられる事である。

 

行政側と専門家の意見交換会などを見ていると思うが彼ら(前者)には

 

「自分達が生きている間に何も起きなければ良い」というイメージを持たせられる。

現に地殻変動機に入っているのにも関わらず、再稼働を容認する為の行動を起こしている事は理解し難い。

 

地震津波、台風などの自然災害は無慈悲でありコントロールが効かない。

しかし上記のような自然災害が起きて事故を起こす可能性があると分かっていて始めた政策であるという事が明らかになった以上、これは人災と言わざるをえないのだ。

 

原発推進をしている人たちのリアリスト的なロジックは多少なりとも理解しよう。

しかし次に災厄”Disaster”がやってきた時に誰がどう説明を行うのだろうか。

「なんであの時辞めようってならなかったの?」と未来に生きる者達から問いかけられた時、真っ当な説明など出来るはずがない。

 

リスクが生じる以上、後戻りについて考えないのは愚弄である。 

非難方法を周知させ、いかに身を守るかという物を徹底したとしても原発というモンスターはあまりにも強すぎる。

 

・経済政策

 

経済政策についても上記のような未来に対しての眼差しが無い。

現在の日本の雇用・経済資本を含めた経済政策は一言で言えば

「リスクを無視したパワープレイ」である。

 

 

経済はグローバル経済の性質上、国外の影響を物凄く受ける。

つまり持続可能性については未規定であり、次々とやってくる困難や発展の芽を見つける事をしながらやってかなければならない。

そして困難が起きた時の場合のリスクを考えておくというのが普通だ。

成功するか失敗するかは、経済策というやってみなければ分からない”机上の作戦会議”という点を考えれば即時に判断する事は出来ないだろう。

しかし現在も推し進めている日本の経済政策は巨大なリスクを無視して”良い事だけを言う” ”とにかくすぐに数字を上げる”という点に固執している。

 

ここでは多くを説明するのは難しい為、別の記事で紹介したい。

 

過去現在と未来

 

 

現時点で誰も分からない事は誰一人として語る事が出来ない。

せめても未来に対しての負債やリスクについて考える姿勢を権力側が示すのは当然の事ではないだろうか?

私たちは人間的な実存を考えると共に過去ー現在ー未来という枠組みを共通認識として持てる社会というのは有り得るのだろうか。

「もう何も考えなくていいよ。こうしてればいいよ。」という悪魔の囁きに反旗を翻す夢を見て眠り続けるしか今は出来ない。